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活魚水槽や生簀に入れる活魚の失敗しない選び方【種類別】

活魚の画像

市場や卸業者から活魚を仕入れたり買い付けるとき、最低限知っておきたいポイントをご紹介しています。
活魚水槽の上手な運用には漁師さんや信頼できる仕入れ業者さんを見つけて、自身が取り扱う魚種について情報交換を行い、更に深く知識を掘り下げる事が大切です。

もくじ

真鯛(マダイ)

マダイ(真鯛)

活魚の王道的な存在です。活きた個体の流通量が豊富で、天然から養殖まで容易に入手できます。
需要が多く神事やめでたい行事にも重宝され、目にする機会はトップクラスの活魚です。
40~50cm程度の2kg程度の個体が最も美味しいとされています。
秋から春にかけてが旬で、産卵期の直前は桜鯛と呼ばれ適度な脂が乗っておいしくなります。

主要に流通しているサイズ

500g~1.5kg/尾

選ぶ時のポイント

  1. 目が澄んでおり体色が綺麗な赤色で、背中にある青色の斑点も鮮やかな個体。
  2. スレやキズ、特に目突きがない個体。
  3. 腹部がやせていない個体。但し、体脂肪が多すぎるのは避ける。

提供するにあたってのポイント

脂肪が多い個体と、目突きのマダイは評価が低くなります。
自店舗の需要のあるサイズと量をしっかり把握し、在庫の回転を良くするようにしましょう。

 

黒鯛(クロダイ)(チヌ)

クロダイ(チヌ)の活魚について

黒鯛はチヌとも呼ばれ、磯釣りでは大変人気の高いこちらも王道の活魚です。雑食性で野生ではマイワシやゴカイ、貝類、野菜まで何でも食べてしまいます。
「5月陰暦の腐れ鯛」「麦わら鯛は馬も食わず」といったように真鯛の場合は言われますが、黒鯛の旬は5月~10月です。おもしろいことに真鯛の味が落ちる時期と反比例して黒鯛が美味となります。

主要に流通しているサイズ

400g~1kg/尾

選ぶ時のポイント

  1. 目が澄んでおり体にハリがあるもの。
  2. エラが赤く鮮やかな個体。
  3. 腹部がやせていない個体。

提供するにあたってのポイント

刺身だけでは需要が狭まるので、複数の調理法を考えておきたいです。
鮮度が良ければお刺身で。
真鯛に比べると磯の味が少しクセに感じる人もいます。
そんな場合は塩焼きやムニエル、アクアパッツァ等にするのも人気が高いです。

 

石鯛(イシダイ)

石鯛

石鯛は幼魚~若魚の間、縞模様が7本ありますが、成魚になり体調が40cmを超えてくると消えてしまい、銀色の体色になります。老成した石鯛は口の部分が黒くなるので、クチグロと呼ばれたりします。ヒキが大変強く大型になると80cmを超える個体も存在し、釣りでも人気の魚種です。
幼魚から水槽で飼育すると飼育者の顔を覚えるなど、頭の良い魚です。
旬は秋から冬にかけてが、脂が乗っており美味とされています。刺身の場合は活魚もしくは活締めである事が前提です。

主要に流通しているサイズ

300g~2kg/尾

選ぶ時のポイント

  1. 老成していない個体で目が澄んでいる個体。
  2. 黒い横縞が鮮明でツヤとハリがある。
  3. スレや噛みキズが無い。

提供するにあたってのポイント

旬の石鯛は脂がのっており、はごたえもあって旨味があります。刺身にして、醤油も良いですが塩+カボスも美味です。薄造りやカルパッチョにしても美味しいです。
磯の香りが気になる場合は塩焼きやしゃぶしゃぶ、ポワレ等も人気です。
養殖物を扱う場合、単独で養殖したものよりも、ハマチやアジと一緒に混養したものの方が未質が良いと言われています。

 

石垣鯛(イシガキダイ)

イシガキダイ(石垣鯛)

イシガキダイの生態はイシダイとほとんど同じですが、イシダイよりも温暖な海を好みます。
活魚水槽でストックする場合は、水温をしっかりあわせた上で投入しましょう。
イシダイが老成していくにつれて口の付近が黒くなるのに対して、イシガキダイは口のまわりが白くなっていく事からクチジロと呼ばれます。体の模様はイシダイ同様に老成するにつれて薄くなります。
旬の時期に関しては諸説あります。
夏が旬とする意見もあれば、秋冬の方が身に脂と旨味が乗って美味いという意見もあります。
産卵して間もない夏よりも、秋冬が美味しいという説が理にかなっていて実際刺身も美味しい気がします。イシダイより暖かい海を好むので、冬の流通量は極めて少ないです。

 

主要に流通しているサイズ

600g~1kg/尾

選ぶ時のポイント

  1. 老成していない個体で目が澄んでいる個体。
  2. 石垣模様が鮮明でツヤとハリがある。
  3. スレやキズが無く、糞抜きがしっかりされている。

提供するにあたってのポイント

刺身で食べるなら活魚が大前提の魚です。活締めの場合は間もない個体が良いです。
35cm~40cm程度の個体が刺身にしやすく皮も硬くなく食べ頃です。
独特の磯の香りはほんのりしますが、気になる場合はイシダイ同様にポワレや塩焼き、酒蒸しなどで提供するのが良いです。にぎり寿司、カルパッチョ、皮の湯引きも人気の調理法です。

 

鰤(ブリ)(ハマチ)

ブリ(ハマチ)の活魚について

年末には寒ブリと呼ばれ、12月~2月の冬が旬となります。ブリは捨てるところが無い魚と呼ばれており、古くから日本人に愛されてきました。出世魚としてもとても有名で、縁起の良い魚でもあります。師走に美味しくなる・需要のある魚だという事から師の文字があてられて「鰤」だと言われています。
養殖も盛んで、養殖物の流通も多いです。体調40cm前後がハマチと呼ばれ、養殖物の個体の出荷サイズも40cm程なので、ハマチ=養殖物という代名詞になっています。
活魚水槽や生簀でストックする場合は、回遊性ですので巨大な水槽を用意しましょう。余裕を持って魚がターンできて、水流もほどよく必要になります。大きければ大きい方が理想です。

 

鰤の出世魚としての呼び名

  • 30cm未満の個体:モジャコ、ワカシ、フクラギ
  • 30cm~40cm前後の個体:イナダ、メジロ、ハマチ、ツバス
  • 50cm~60cm前後の個体:ワラサ、マルゴ、ガント
  • 70cm~80cm以上の個体:ブリ

カンパチとヒラマサはブリとは別の魚ですが、同じブリ属に分類されており、「ブリ御三家」と呼ばれていたりします。

ブリは冬が旬ですが、カンパチとヒラマサは夏が旬です。

 

主要に流通しているサイズ

3kg~6kg/尾

選ぶ時のポイント

  1. 目に透明感があり、エラが鮮やかな赤色の個体。
  2. 乾燥していないツヤとハリがある個体。
  3. 天然物は尾がとがっている個体で、養殖物は尾が丸いもの。
  4. 黄色の縦縞が鮮明なもの。
  5. 脂ののりが良い個体。

提供するにあたってのポイント

年末は寒ブリとしての価値が高いので高値で提供する事ができます。大型の個体は活き締めにするのが取り扱いやすいです。出世魚でとても縁起が良く、ブリ大根は誰もが知る代表的なブリの王道的調理法です。ブリしゃぶや刺身、握り寿司、かま塩焼など、何をしても美味しくまさに「捨てるところが無い魚」といえます。

 

間八(カンパチ)

カンパチの活魚について

高級魚として有名なカンパチ。ブリに良く似ていますが、頭部がすこし丸みをおびているのがカンパチです。
カンパチ「間八」の呼び名は、魚体を上からみたときに頭部にある模様が感じの「八」に見えることから由来しています。

カンパチを活魚水槽でストックする場合は、大型の生簀か大型の活魚水槽を用意する必要があります。最低でも180cmは欲しいところです。適正水温は高めで、20℃前後での保持が理想的ですので他の種類とストックする場合は水温に気を配る必要があります。

通年水揚げされる魚ではありますが、旬は6月〜9月で、夏場が美味しいとされています。

 

カンパチの出世魚としての呼び名

  • 30cm未満の個体:シオッコ
  • 30cm~60cm前後の個体:シオゴ
  • 60cm以上の個体:カンパチ

関西では60cmまでの個体は総称してシオ、60cm以上の個体をカンパチと呼びます。

主要に流通しているサイズ

3kg~4kg/尾

選ぶ時のポイント

  1. 老成していない個体で目が澄んでいる個体。
  2. 石垣模様が鮮明でツヤとハリがある。
  3. スレやキズが無く、糞抜きがしっかりされている。

提供するにあたってのポイント

刺身で食べるなら活魚が大前提の魚です。活締めの場合は間もない個体が良いです。
35cm~40cm程度の個体が刺身にしやすく皮も硬くなく食べ頃です。
独特の磯の香りはほんのりしますが、気になる場合はイシダイ同様にポワレや塩焼き、酒蒸しなどで提供するのが良いです。にぎり寿司、カルパッチョ、皮の湯引きも人気の調理法です。

 

縞鯵(シマアジ)

シマアジの活魚について

天然のシマアジは貴重です。天然物を活魚水槽で扱うのはとても難しく、養殖物の良さを上手に活かすのが良いです。天然物のシマアジは顔つきが鋭くお腹周りをはじめ全体の身が締まっています。全体的に青緑色で黄色いヒレが特徴です。尾ビレの付け根の長いものが天然物で短い物が養殖のシマアジです。よく比べなければ分かり難いので慣れが必要です。

シマアジの旬は6月から10月にかけてです。

主要に流通しているサイズ

500g~1.2kg/尾

選ぶ時のポイント

  1. 体高が大きく魚体に丸みがある個体。
  2. 縦縞が鮮やかな金色のもの。
  3. スレ、キズが無く身がかたくてエラが鮮やかな赤色のもの。

提供するにあたってのポイント

流通しているものは、ほとんどが養殖のシマアジです。脂の乗りは養殖ものの方が良く、サッパリしまった身はやはり天然物が好まれます。握り寿司や刺身が王道で美味です。

 

真鯵(マアジ)

マアジの活魚について

防波堤でアジのサビキ釣りといえば、初心者から老若男女が親しめる魚です。
マアジも活魚水槽でストックする場合は天然物では無く、養殖ものが多く流通しています。
回遊性のマアジとは別に東京湾に棲息する「金アジ」は、DNAこそマアジと同じですが、成長過程でその体色も異なり、とても美味とされています。

主要に流通しているサイズ

100g/尾

選ぶ時のポイント

  1. 体高が大きく魚体に丸みがある個体。
  2. 全身が黄色っぽい個体は脂の乗りが良い。
  3. スレ、キズが無く身がかたくてエラが鮮やかな赤色のもの。

提供するにあたってのポイント

活魚で取り扱いをする以上は、はやり鮮度を活かした刺身や握り寿司が定番です。
タタキやなめろう等で食べるのも大変美味です。
塩焼きや揚げ物にしても良いので、お店のコンセプトに合わせて幅広く調理しましょう。

 

鮃(ヒラメ)

ヒラメ 活魚の仕入れ方

活魚で取り扱いたい魚の代表格と言える種類で、野締めは絶対に使わないようにしたい魚です。
ヒラメは左側が表で、右側が裏になっています。(カレイは反対)
ヒラメにはしっかり鋭い歯が備わっており、自然界では小さな魚や海老などの甲殻類を補食しています。
養殖物と天然物の違いは、尾ビレのスレ方です。尾ビレの角が立っており美しいものが天然で、角が丸くなってすれているのが養殖物の特徴です。
裏側が真っ白なのも天然物の特徴で、養殖物は裏面にも色がついています。
旬は、本州では秋から冬にかけてで、大きな個体が美味しいとされています。

 

主要に流通しているサイズ

500g~2kg/尾(天然)

500g~1.5kg/尾(養殖物)

選ぶ時のポイント

  1. 有眼側、無眼側共に肉厚。
  2. 有眼が深緑色で無眼側が白色。
  3. ヒレのかたちがしっかりしているもの。
  4. スレ、キズが無いもの。

提供するにあたってのポイント

刺身がお馴染みで、お造りやお寿司が定番です。
なめろうや昆布締めなども含め生で食べるのも人気ですが、煮付けやフライにしても絶品です。
味わいが深いものの、クセが無いので様々な調理で美味しく頂けるお魚です。
天然物が一番ですが、養殖物も味は悪くないので取り扱い易い活魚といえます。

 

真子鰈(マコガレイ)

カレイ(マコガレイ)

煮付けや唐揚げのイメージがあるカレイですが、活魚として扱い刺身で提供すると美味です。
古くから親しまれており、価格も手ごろでお馴染みの魚種です。
カレイは右側が表で左側が裏です。(ヒラメはこの反対)
全国各地の沿岸で漁獲されており、種苗の放流も盛んです。
旬は初夏から秋にかけてで、子持ちは12月から2月とされています。
刺身として調理する場合は子持ちよりも身がしっかりした初夏の個体を旬とします。

 

主要に流通しているサイズ

300g~1kg/尾

選ぶ時のポイント

  1. 酸欠状態を経験してないもの。
  2. スレ、キズが無いもの。

提供するにあたってのポイント

鮮度が良いと透明感のある白身で旨味があり、大型の個体が特に刺身が美味です。
活け締めにし、1~2日寝かせて旨味を引き出すのも良いです。
煮付けや一夜干しの焼き物、揚げ物など、幅広い調理方法で美味しく頂く事ができます。

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