プロが教える水槽の掃除方法
水槽で魚や水草を飼育するには、定期的に水槽の掃除やメンテナンスを行わなくてはなりません。
正しく水槽の掃除を行わなければ、水槽自体が壊れてしまう可能性もありますので、正しい掃除の方法を身につけましょう。
水槽の汚れの原因は?
水槽の汚れといえば、そのほとんどが『苔』です。そもそも水槽には、なぜ苔が付いてしまうのでしょうか?
苔の原因は水槽内の「富栄養化」と「光」です。
苔の原因となる「富栄養化」
富栄養化とは、水槽内の水にタンパク質や有機物が溶け込んでいる状態のことを言います。
タンパク質や有機物とは、魚の老廃物や排泄物、魚が食べきれなかった餌などのことを指します。
魚を水槽の規定量よりも多く入れ過ぎていたり、餌を多くあげ過ぎてしまうと、水槽内は「富栄養化」してしまいます。
苔の原因となる「光」
さらに水槽内に入ってくる「光」によって苔は成長し、発生しやすくなります。
照明が強すぎたり、照明の点灯時間が長すぎたり、照明と水槽の距離が近すぎたりすると、すぐに苔が発生してしまうのです。
日常的な水槽掃除「苔掃除」
では、苔が発生したらどのように掃除を行えば良いのでしょうか?苔掃除は基本的には水槽の表面をこするだけの簡単な掃除です。
使う道具によっては傷がつく可能性がありますので、最適な道具を使って掃除をしましょう。
ガラス水槽の苔掃除の方法
水槽の素材がガラス製の場合、スクレイパーで掃除をする方法と、マグネットで掃除をする方法があります。
スクレイパーで掃除をする
ガラス水槽の場合は、写真のようなスクレイパーで苔をこそぎ落とすように掃除をしていきます。
スクレイパーのブレードの素材が金属製のものを使用すると、苔が取りやすく、作業がしやすいためオススメです。
金属製のスクレイパーがない方は、ご自宅にある三角定規(100均に売っているものでもOK)でも代用することができます。
マグネットで掃除をする
市販されている苔掃除の道具に、写真のようなマグネットとスポンジで掃除する器具があります。
マグネットクリーナーは写真のように水槽中と外をマグネットで挟み、掃除を行います。
腕を水槽に入れる必要がなく、掃除はしやすいのですが、スポンジ部分に砂が挟まってしまわないようにしなければなりません。
もしも砂が挟まってしまった場合、傷が付きにくいガラスでも、砂によって傷がついてしまうことがありますので気を付けましょう。
コーナーは歯ブラシでこする
ガラス水槽はガラス同士をシリコンで接着してありますので、接着部分をスクレーパーなどでゴシゴシしてしまうと、シリコンが傷ついてしまう可能性があります。
コーナーは歯ブラシを使って優しくこするようにしてください。
アクリル水槽の苔掃除の方法
水槽の素材がアクリルの場合は、ガラスよりも傷が付きやすいのでさらに注意が必要です。
基本的にはスクレイパーではなく、スポンジで優しくこするように掃除をしてください。
その際、メラミンスポンジを絶対に使わないように気を付けましょう。メラミンスポンジを使うと、アクリル水槽に傷が付いてしまします。
固くて苔がなかなか取れない場合は、スクレイパーを使用することもできますが、樹脂製のブレードのものを使用するようにしてください。
金属製のものを使用すると水槽に傷がついてしまいます。
マグネットクリーナーは水槽に傷が付きやすいため、使用を避けましょう。
苔掃除はどのくらいの頻度で行うべきか?
水槽の汚れの原因は、前述の通り「富栄養化」と「光」です。そのため、水槽の環境により汚れる頻度はかなり違ってきます。
そもそも、苔は水槽内に発生しても、悪さをするものではありません。気にならないようであれば、放っておいても問題ないのです。
でも、せっかくレイアウトしたアクアリウムが苔で全く見られなくなってしまったら嫌ですよね?
苔掃除は水槽の「見た目を美しく保つ」ために行っています。
どのくらいの頻度で行うべきか?というと「汚れが気になったら」で構いません。毎日でも、1年に1回でも、間違いではないのです。
日常的な水槽メンテナンス「水換え」
一般的な水槽の場合、魚から排出されて分解されなかった有害物質が水槽内に溜まり、水環境が悪くなってしまいます。
そのため、定期的に水槽の水換えを行う必要が生じます。
水換えはどのくらいの頻度で行うべきか?
水換えの頻度は飼育している魚の種類や、水槽の大きさによって変わってきますが、目安としては『2週間に水量の1/3』の水換えを行うようにしましょう。
この頻度で調子がいい場合はそのまま継続してもいいですし、『2週間に水量の1/5』や『3週間に水量の1/3』にするなど、水槽の様子を見ながら、ご自身が楽に水換えができるような、バランスの良い水換え頻度を見つけていっても良いでしょう。
水換えのやり方
海水水槽の場合は海水を、淡水水槽の場合はカルキ抜きをして中和した水を用意しておきます。
市販の人口海水の素やカルキ抜き剤を利用すると良いでしょう。
水換えの際に重要なのが水温や塩分濃度を、水槽内の水質に合わせることです。
水質の違う水を水槽に入れると、魚が死んでしまうことがあります。
必ず水質を合わせた水を事前に用意しておくようにしましょう。
水量の1/3を排水していきます。水量の1/3程度の水換えの場合、魚はそのまま水槽の中に入れた状態で構いません。
ホース全体を水槽内に入れた状態で一方の入り口を塞ぎます。
塞いだ方のホースを水槽外に出し、水槽に入っているホースよりも下の位置に置いたバケツなどに排水していくと、サイフォンの原理で簡単に排水できます。
お風呂用のバスポンプを利用すると、より簡単に排水できます。
予め1/3水量のラインに、テープを貼っておくと排水量が分かりやすいため、おすすめです。
人口海水をつくったり、水温を合わせたり、水換えはかなり面倒な作業です。
水槽の中には、水換えなしで魚が飼育できる水槽もありますので、そのような水槽を利用するのも良いでしょう。
水槽に付属している配管やホースの掃除
基本的に日常のお手入れは苔掃除と水換えですが、汚れが気になってきたら配管やホースも掃除するようにしましょう。
配管・ホースの掃除方法
配管やホースは写真のような市販のパイプブラシや歯ブラシを使って掃除するようにしましょう。
取り外せるものは取り外して、ゴシゴシと綺麗に水洗いしてから、元に戻してあげましょう。
ろ過装置・ろ過材の掃除
ろ過装置やろ過材も、3~6ヶ月に1回は掃除をするようにしましょう。
ろ過材にはメーカー指定の交換目安がありますので、メーカーの交換期間に合わせて交換してください。
ろ過装置・ろ過材の掃除方法
まず、ろ過装置につないである、配管やクーラーなどの周辺機材がある場合は取り外します。
ろ過材をバケツなどに入れてすすいで洗います。
ろ過材を洗う時には、バクテリアを死滅させないように、飼育水で洗うとよいとされています。
ろ過装置の水を捨て、ろ過装置を洗います。
ろ過装置の水を捨てる際は、排水ポンプを使うと楽に捨てることができます。
カルキ抜きをした水をろ過装置に入れ、洗ったろ過材と周辺機材を元に戻してください。
底砂の掃除
水槽の底に敷いている砂に、汚れが溜まってしまうことがありますので、数か月に1回は掃除をするようにしましょう。
底砂の掃除方法
底砂を軽く、棒や割り箸などでかき混ぜ、汚れが浮いてきたら、スポイトなどを使用して、汚れを吸いだしてください。
少しでも掃除・メンテナンスを楽にしたい方に
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